IT導入補助金

ECサイト制作で最大450万円の補助!IT導入補助金とは?

ECサイト制作で最大450万円の補助!IT導入補助金とは?

IT導入補助金とはECサイトのようなITツールやクラウドサービス、ソフトウェアの導入費用を補助する国の制度。ITツールを導入して労働生産性を向上させることを目的としています。申請には通常枠と低感染リスク型ビジネス枠(特別枠:C・D類型)があり、30万円から最大450万円の補助金を受け取る事が可能です。

では、何に対して補助が支給されるのか、補助率や補助金額はどうなっているのか、申請の際の注意点など、解説していきましょう。

なぜ、中小企業・小規模事業者の間でIT導入補助金が注目されるのか

2020年から始まった新型コロナウイルス(COVID19)感染拡大を防止するため、政府による緊急事態宣言が発令されて企業活動が大きく変化した昨今。業務もモール型eコマースやASP、SaaSを利用した非対面の販売やテレワークへシフトする取り組みが進んでいます。

これらの動きは、感染症拡大や災害発生時のBCP(事業継続計画)対策だけでなく、時間や場所の制約から解き放たれた働き方を生み出し、新しいビジネスの創出につながる可能性を示しました。

日本政府や経済産業省も以前から、業務のデジタルトランスフォーメーション(DX)を進める上でネットショップやテレワーク環境の整備を後押しするため、中小企業・小規模事業者を対象に補助金制度を積極的に導入。今回の新型コロナウイルス感染拡大はビジネスを接触型から非接触型へ、より一層進めるきっかけとなりました。

そして、このような事態を受け、数ある補助金制度の中で事業者の注目を集めているのがIT導入補助金(サービス等生産性向上IT導入支援事業)なのです。

また、IT導入補助金(サービス等生産性向上IT導入支援事業)の事業目的として「中小企業・小規模事業者等が今後複数年にわたり相次いで直面する制度変更(働き方改革、被用者保険の適用拡大、賃上げ、インボイスの導入等)等に対応するため、中小企業・小規模事業者等が生産性の向上に資するITツール(ソフトウェア、サービス等)を導入するための事業費等の経費の一部を補助等することにより、中小企業・小規模事業者等の生産性向上を図ることを目的とする(IT導入補助金事業概要より)」と明示されており、事業者はどのような制度なのか、何を目的にしているかを理解することが本補助金の申請において重要になります。

IT導入補助金に申請おけるECサイトやリモートの設備で補助額は最大450万円

IT導入補助金とは、主に中小企業・小規模事業者を対象に、ITツールやクラウドサービス・ソフトウェアの導入にかかる費用を支援する国の制度。ITツールを導入して労働生産性を向上させることを目的としています。

後述しますが、申請には通常枠と特別枠があり、審査を通過すれば最大450万円の補助金を受け取る事が可能です。

特筆すべきは予算で、2017年当初は約100億円だったのに対し、2021年は、ものづくり補助金と持続化補助金の3事業を合わせた総額で通常枠予算3600億円(3年間)プラス特別枠予算2300億円と、大幅に増額されています。申請できる補助額の上限も年々上がっているので、事業者にとっては大きな助けとなるでしょう。ちなみに、定められた予算の範囲内で運営する補助金制度のため、予算を使い切り次第終了となります。

IT導入補助金の対象となる具体的なケースですが、例として以下のような施策にかかる費用が挙げられます。

  • 自社商品やサービスの提供を効率化するため、CMSやインターネット上で販売するECサイト(ShopifyなどのASP、SaaS等) を制作
  • Web会議ツールを導入してテレワーク環境を整備
  • 作業の効率化・非対面化を実現するため、スタッフ管理にクラウドシステムを利用したツールを導入
  • 人事・労務管理ソフトを導入して担当社員の業務時間を短縮
  • 人の手で行っているルーティン作業をRPA(事業プロセス自動化技術)等のツール導入によって効率化
  • 社員間の情報共有を円滑にするため多機能グループウェアを導入

など

カギは非対面化ツールかどうか。特別枠(C類型、D類型)に当てはまるかどうかがポイント?

IT導入補助金には大きく分けて通常枠とされるA・B類型と、特別枠のC類型(低感染リスク型ビジネス類型)、D類型(テレワーク対応類型)があります。

通常枠は中小企業・小規模事業者に対し、その企業課題に合ったITツール導入費用を補助することで従業員の生産性アップをサポートするものです。

A類型とB類型の主な違いは、補助金の申請額。A類型は30万円以上150万円未満なのに対し、B類型は150万円以上450万円以内となります。補助率はどちらも2分の1です。かかった費用の半額が戻ってくるというイメージでよいでしょう。

一方、低感染リスク型ビジネス枠として創設されたC類型(低感染リスク型ビジネス類型)とD類型(テレワーク対応類型)は新型コロナウイルス感染症が与えた企業活動への影響を考慮し、アフターコロナ・ウィズコロナを見据えた非対面化のITツールの導入を優先的に支援する「低感染リスク型ビジネス枠(特別枠:C・D類型)」となっています。

ほかには、通常枠が費用の2分の1の補助に対して、特別枠は最大で3分の2が補助対象となります。また、特例として通常枠では補助対象とならないPC・タブレット等のレンタル費用も対象です。さらに、遡及(さかのぼり)申請が追加され、公募開始以前の遡及申請可能期間2021年1月8日(金)以降に導入したITツールについても補助対象となる場合があります。

ITツール導入についての契約を実施し、その後、補助事業者による交付申請までの間に当該ITツールと、それを提供するIT導入支援事業者が事務局に登録されたケースが該当します。

単純に金額の面で見れば、A・B類型とC・D類型では補助率に差があるため、まずは自社が導入を考えているITツールが補助上限の多いC・D類型に当てはまるかどうかを確認すると良いでしょう。

特別枠のC類型(低感染リスク型ビジネス類型)とD類型(テレワーク対応類型)を受けられる条件とは?

まず、低感染リスク型ビジネス枠(特別枠:C・D類型)の定義についてですが、公募要領や交付申請の手引きでは、以下のように定められています。

令和2年度第三次補正サービス等生産性向上IT導入支援事業(IT導入補助金) 低感染リスク型ビジネス枠(以下「特別枠C類型・D類型」という。)では、新型コロナウイルス感染症の流⾏が継続している中で感染拡大を抑えながら経済の持ち直しを図り、中小企業のポストコロナに向けた経済構造の転換・好循環を実現させるため、令和2年度第一次・二次補正で措置した特別枠を改編し、現下及びポストコロナの状況に対応したビジネスモデルへの転換に向けて、労働生産性の向上とともに感染リスクに繋がる業務上での対人接触の機会を低減するような業務の非対面化に取り組む中⼩企業・小規模事業者等の積極的なIT導入を優先的に支援します。

この文章にもある通り、業務の非対面化に取り組むためのIT投資であるのが重要だということがわかります。

続いて、特別枠のC・D類型でIT導入補助金を受けるための条件ですが、業務の非対面化に資するツール(非対面化ツール)の導入が前提となります。

それから、ITツールの機能によってC類型かD類型かに分けられます。

C類型(低感染リスク型ビジネス類型)
複数のプロセス間で情報連携されるツールを導入し、複数プロセスの非対面化や業務の更なる効率化を行うことを目的としたIT投資

D類型(テレワーク対応類型)
テレワーク環境の整備に資するクラウド対応ツールを導入し、複数プロセスの非対面化を行うことを目的としたIT投資

このように、それぞれ上記の要件を満たすITツールを導入することが必要です。

導入するITツールがどの類型に該当するのか迷ったら、以下の「類型判別チャート」を確認すると良いでしょう。

各類型の補助対象経費及び補助率、対象類型、補助上限額・下限額とは?

申請類型によって補助対象経費、補助率、補助金申請額が異なりますので、しっかりと補助上限額や補助率を確認するようにしましょう。

通常枠 (A類型)
補助上限:30万〜150万円
補助率:1/2

通常枠 (B類型)
補助上限:150万〜450万円
補助率:1/2

特別枠(C類型-1)
補助上限:30万〜300万円
補助率: 2/3

特別枠(C類型-2)
補助上限:300万〜450万円
補助率: 2/3

特別枠(D類型)
補助上限:30万〜150万円
補助率: 2/3

IT導入補助金でECサイトを制作するためには?

IT導入金補助金の対象となるITツールは「IT導入支援事業者・ITツール検索」にて調べることができます。以下の「IT導入支援業者・ITツール検索」でECサイト構築を提供しているIT導入支事業者・ITツールを検索して、選定を行ってください。

IT導入支援事業者・ITツール検索
https://portal.it-hojo.jp/r2/search/

昨年のIT導入補助金2021に続き、株式会社Bties(以下、「Bties(ビータイズ)」は、経済産業省が推進する2021年度(令和3年度)「IT導入補助金2021」において、IT導入支援事業者として採択されました。当社は、東京都渋谷区を拠点に、ECサイト制作およびWeb制作やマーケティング支援(SEO対策、MAツール導入支援)、システム開発を行なっております。ECサイトにおけるIT導入補助金2020年での導入実績が多数ございます。Bties(ビータイズ)にお任せいただけましたら、IT導入補助金の申請における相談から有効なITツールやツール間連携の提案、会社全体のデジタル・DXにおける戦略立案、申請に必要な作業を支援させていただきます。はじめての方でもなるべく分かりやすくご理解できるよう心掛けております。
IT導入補助金2021をご検討およびご利用の際は、ぜひご相談ください。

IT導入補助金2021では、現行の通販サイト(ネットショップ)のリニューアルではご利用できませんので、注意が必要です。現在ECサイトを運営していない、または現行のサイト以外で新規にECサイトサービスを契約し新しくサイトを制作する場合に利用することが可能になります。

ECサイト活用のポイントとは?

ECサイトの役割は、自社の商品やサービスをホームページ上で販売することです。
※EC: electronic commerce(エレクトロニックコマース=電子商取引)
代表的なホームページとして、楽天やAmazon、Yahooショッピングといったら、分かりやすいでしょうか。

ECサイトをはじめるには、色々なカートシステムがありますが、大きく分けるとASP(SaaS)のショッピングカートシステム、オープンソース、モール型、フルスクラッチで開発するかの4つに分かれます。
それぞれ4つの特徴について説明致します。

ASPサービス

ASPサービスは、提供元のショッピングカートシステムをレンタルして使う形になります。
月額の利用料が発生しますが、手軽にサイトを構築でき、メンテナンス等の保守費用もかからず、運営に専念できるのが魅力です。
※ASP:アプリ・サービス・プロバイダの略

代表的なASPサービスとして

  • BASE(ベイス)
  • カラミーショップ
  • MakeShop(メイクショップ)
  • ショップサーブ
  • フューチャーショップ

等があります。

オープンソース

代表的なものとして、EC-CUBEが有名です。カスタイズが自由で、ASPサービスと比べて柔軟性が高いのが特徴ですが、システム開発や機能拡張、運営・保守が必要なので、比較的コストがかかってきます。自由度が高い反面、不具合や障害があった場合は、自社の責任で対応する必要があります。

モール型

モール型とは、楽天やAmazon、Yahoo!ショッピングのように複数店舗が出店するWebサイト上のショッピングモールになります。
ブランド名と実績で多くのユーザを集めることができるので、ECサイトで1番難しいとされる集客が比較的容易にできますが、出店している事業者も多いので、商品の特徴や価格、付帯サービス等の他とは違う差別化を行う必要があります。

フルスクラッチ

フルスクラッチとは、ECパッケージやASPと異なり、ゼロからシステムを組んでECサイトを構築する手法になります。そのため、自由度が非常に高く、自社の要件に合ったシステムを構築することができますが、その反面、手間やコスト、期間が1番かかります。主に大手企業が対象となりますが、他社と異なる販売形態で展開したいような企業にはおすすめです。

ECサイトをどのようにビジネスへ展開していくかも重要なポイントとなりますので、ぜひ上記のEC特徴を参考にしながら、自社に最適なカートシステムを検討してみてください。

IT導入補助金の審査方法と注意点とは?

IT導入補助金の概要を説明したところで、今度は申請後の審査フローを説明します。申請から採択まで、一般的には以下の順で進んでいきます。

  1. 申請書提出
  2. 審査員(審査委員会)による審査
  3. 各企業の申請書を加点方式で採点
  4. 点数の高い順から予算の範囲で採択

つまり、採択されるためには申請書が要件に合致していることはもちろんのこと、一定水準の点数をとる必要があるのです。それには実現の可能性や客観性をわかりやすく示したり、図・表・グラフ・写真を多用したりするなど、ある程度戦略的な入力方法が必要となってきます。

IT導入補助金の場合は、申請マイページ経由で申請を行うので、図・表・グラフ・写真を入力する必要はありません。

ノウハウのない状態で書類等を準備し、事業実績報告や事業実施効果報告などを作成するのは難易度が高いように感じますが、採択されるほとんどの企業は「IT導入支援事業者」としっかりと連携して申請を行っているのが現状。きちんとサポートを行ってくれる「IT導入支援事業者」かどうか見極めるのもポイントです。採択後の事も含め、長期的な視野で見ればここはプロの力を借りた方がいいでしょう。

また、IT導入補助金申請時の注意点として

  • 補助金は交付決定時に未払いのものについては後払い
  • 補助の対象となるのは、補助事業期間に支払われた経費のみ (交付決定より前に支払われた経費、補助事業期間の後に支払われた経費は対象外)
  • 実際に補助金が支払われるのは完了報告と確定検査のあとで請求をしてから
  • 交付決定後に補助対象経費の費目変更や内容変更をする場合には事務局の承認が必要
  • 受領した補助金は、基本的には所得となるため課税対象

といったルールも頭に入れておかなければなりません。

さらに、不正受給と見なされた場合は罰金、懲役などの罰則があります。故意でなくても不正とならぬよう、受給後も専門家の助言を受けることが大切です。

まとめ:IT導入補助金を活用してECサイトの構築を検討してみてください

IT導入補助金は、ECサイト制作をはじめ従業員の生産性向上や売上アップ、新規事業等さまざまな用途に活用することができます。金額も30〜450万と幅広いため、事業の大小を問わず受け皿の広い補助金といえるでしょう。刻々と変化する情勢や多様化するサービスに対応するため、補助金・助成金の目的、趣旨といった特徴をしっかり把握したうえで、導入を検討してみてください。

ABOUT ME
【補助金マップ+ 編集長】内田洋靖
中小企業の事業拡大の投資のための資金を「補助金」「融資」利用して支援を行っている。最近は、ITやマーケティングの知識を活かした企業のDX支援に力を入れている。