[2020年版] ホームページに独自ドメインを設定する方法
ホームページ制作におけるHTML、CSS、JavaScriptなどの習得は、検索するとすぐに出てくると思いますが、ドメインに関する情報はなかなか内容が難しくて断念した方もいるのではないでしょうか。
今回は、誰でも簡単にドメインを取得し、自分のホームページに割り当てる方法を紹介したいと思います。
ドメイン・IPアドレスの関係性とは
ドメイン名とIPアドレスは切っても来れない関係です。まずは簡単に説明いたします。
IPアドレスがあればインターネットのアクセスは可能です(詳しくは後述)。しかし、誰であれ数字の羅列は覚えたくないはずです。そもそも覚えにくいですし。
もしあなたがこんなURLをもらったら、どのURLがどのサイトなのかわからなくなり、うんざりするはずです。
https://192.168.1.128/
https://172.16.192.20/home/contact/
https://205.251.195.234/sugoi/homepage/index.php
できることならこんな名前だとわかりやすいですよね。
https://bties.co.jp/homepagenopro/
https://sugoi-homepage-sugoi.net/
https://homepagenotensai.jp/
架空のURLを記述しましたが将来実際に使われる可能性がありますので、その点は予めご承知ください。
というわけで、IPアドレスとドメインを紐づけてしまえば良いわけです。
以下の手順で進めます。
- ドメイン名を考える
- ドメインを購入する
- DNSに登録する
基本的には上記3工程で、IPアドレスとドメインを紐付けることが可能です。
独自ドメインとは何ですか?
みなさんが今見ているこのサイトは「https://bties.co.jp/homepagenopro」というURLを持つホームページです。URL(ユーアールエル)は、インターネット上の住所と認識しておいてください。
ほとんどのホームページがこのような英単語による住所を持っています。ドメインは上記のURLのうち「homepagenopro.com」の部分が該当します。
https
部分はスキーマと呼ばれています
実はこの住所、自分で名前を決めて自分で購入 しているわけです。
インターネットは世界中で利用可能ですので、誰かが買った同じドメイン名と同じ名前では購入することが出来ません。必ずユニークなものでなければいけません。
IPアドレスとは何ですか?
実はインターネットに繋がっているコンピュータ全てに、座標のような数字を持つアドレスが割り当てられています。見たこともあるかと思いますが、以下のような構成を持つ4つの数字のアドレスです。
192.168.1.128
0から255までの256個の数字を、ドットで4つつなげたアドレスの表現方法です(厳密には256個すべて使えるわけではないのですが)。
例えば自宅のパソコンがインターネットに繋がっているとすると、必ずルータが存在します。ルータというのは簡単に説明しますと、自宅とインターネットの境目です。そのルータにIPアドレスが割り当てられています。
割り当てているのはどこでしょう?それはプロバイダです。プロバイダはIPアドレスを多数所有しています。その中から使用されていないものが割り当てられます。
つまり、プロバイダからIPアドレスが割り当てられてるので、IPアドレスの所有者はプロバイダであり、プロバイダから空いているIPアドレスを借りている ということになります。
厳密に言うと少し違うのですが、ここでは説明のためにわかりやすく表現してあります。
この場合、自宅のルータの電源を落として再度電源をいれると、割り当てられているIPアドレスが変わってしまうことがあります。変わらないようにする方法もあるのですが、今回は自宅内にサーバを置く(いわゆる自宅サーバ)は扱いません。あくまでレンタルサーバなどに割り当てられたIPアドレスを対象とします。
ドメイン名を決めるにはどうすればいいですか?
さて、ドメインは買うもの、IPアドレスは借りているもの ということがわかりました。
ドメイン名ですが、誰もがわかりやすい名前であることはもちろんなのですが、内容がわかりにくくても短いものであれば好まれる場合もあります。
例えばホームページのタイトルが「僕たち私たちの青い空」だとすると、ドメイン名は「bokutachi-watashitachi-no-aoi-sora.jp」など、むしろ長くなってうんざりしてしまいます。
そういう場合は「青い空」「僕たち私たち」のように分けてみたり、「bw-aoisora.com」などのように頭文字と省略形というのもよくあるパターンです。
ドメイン名には以下の文字が使用可能です。
- アルファベット(大文字小文字は区別されません)
- 数字(0から9まで)
- 記号(ハイフンのみ)
全角文字が1文字でも入っていると、日本語ドメインになってしまいますので注意してください。
ドメイン名の末尾に付くいくつかの文字をTLDといいますが、以下のような種類があります。
.com
.jp
.org
.info
その他にも大量に存在ますので、値段なども考慮しつつ、自分が気に入ったものを選択しましょう。
たとえ格安でドメインが購入出来たとしても、更新時に他のドメインより高くなる場合もありますので、そこも注意しましょう。500円で買ったドメインの更新料が2,000円だった、なんてこともよくある話です(このくらいでしたらまぁ想定内と言えますが)。
ドメインを購入するにはどうすればいいですか?
ドメインを購入できるサービスは多数ありますが、今回は「お名前.com」で購入してみます。
1. ドメイン名の検索
まずはお名前.comのトップページにある検索フォームで、希望のドメインを検索します。
TDLはつけてもつけなくても構いません。
今回は「bw-aoisora」を検索してみました。
2. 検索結果
「bw-aoisora」はほぼすべてのTLDが使用可能でしたので、比較的安い「.site」をTLDに選びました。
このページはボタンで横にスクロール出来ますので、全体を確認し、期待するTLDがないか確認してから慎重に決めましょう。
すでにお名前.comへログインしている人は画面右側に「お申込みへ進む」ボタンが表示されますが、ログインしていない場合、新規登録もしくはログイン情報が右側に表示されるはずです。適宜ログインした状態にしておいてください。
準備が出来たら「お申込みへ進む」ボタンで次へ進みます。
3. 申し込み
「bw-aoisora.site」の有効期限を1年とし、「Whois情報公開代行」は「設定する」にしておきます。
Whois情報というのは、ドメイン名を専用のコマンドで検索した場合、購入者の氏名や会社名、連絡先などが表示されますが、その部分をお名前.comを運用しているGMO社の内容に置き換えるという意味になります(購入者の情報は登録しておく必要があります)。法人ではなく個人でドメインを購入される方は必ずWhois情報公開代表をONにしましょう。因みに本来有料のようですが、ここ何年間ずーっと無料です。
準備が出来たら「次へ」ボタンで次へ進みます。
4. お支払い方法
すでにクレジットカードが登録されていればこのような画面になりますが、初めてご利用される場合はクレジットカードの登録画面になりますので、必要な情報を入力してください。
準備が出来たら「申込む」ボタンで次へ進みます。
5. 申し込み処理
画面に大きなインジケータが表示されます。30秒ほどで処理が終わりますのでそのまま待ちましょう。
6. 申し込み完了
これでドメインの購入が終わりました。最後に概要が表示されます。
メールも送信されているはずですので、必ず受信し、内容を確認してください。
DNSに割り当てるにはどうすればいいですか?
さて、ドメインを取得したら、次はIPアドレスへの割当が必要になります。
冒頭でも説明しましたが、インターネットでのアクセスはIPアドレスありきで理解しておいてください。ドメイン名でアクセスするか、IPアドレスでアクセスするか、を選択するものではなく、まずIPアドレスが存在し、そこにドメイン名を割り当てるという流れです(インターネットに接続されているコンピュータには必ずIPアドレスが存在します)。
1. IPアドレスと独自ドメインの関係
基本的にIPアドレスとドメイン名との割当は単純で、
192.168.1.120 bw-aoisora.site
上記のような単純な設定を行います。
ただ、メールアドレスなどでもドメイン名を使うことがあるため、以下のように、もう少しだけ複雑な書式になります。
mail IN A 192.168.1.120
こちらの意味ですが、まず「mail」というのは「bw-aoisora.site」の先頭につける部分になります。つまり「mail.bw-aoisora.site」という意味です(この部分はサブドメインと呼ばれます)。次に「IN A」ですが、こちらは「インターネットのアドレス」という意味になります。そして最後が該当するサーバのIPアドレスになります。
実際には以下のように複数記述されることが多いです。
mail IN A 192.168.1.124
www IN A 192.168.1.120
admin IN A 192.168.1.120
同じドメイン「bw-aosisora.site」であっても、内部のサーバを別のものに指定することも可能です。上記ですとメールサーバである「mail」だけ、IPアドレスの最後が「124」になっており、他のサーバとは別のサーバという事がわかると思います。
これらの情報を保存し、適切に処理してくれるサービスを「DNS」と呼びます。DNSはドメイン名とIPアドレスの割当を処理する専用のサーバです。
お名前.comでドメインを取得しましたので、お名前.comにあるDNSに、「bw-aoisora.site」とIPアドレスの紐づけを行いましょう。
2. DNSにレコードを登録する
お名前.comにログインしたら、画面上部の「DNS」タブを選択し、「ドメインのDNS関連機能設定」を選択してください。
「次へ」ボタンで次のページへ進みます。
3. ドメインの選択
お名前.comですでにいくつかドメインを所有している場合はここで一覧からドメインを選択します。今回は「bw-aoisora.site」ですので、横にあるボタンをクリックしてONにします。
「次へ進む」ボタンで次のページへ進みます。
4. 機能を選択する
ページを下にスクロールすると、以下のような項目が表示されます。
ここでは3つの機能が選択出来ますが、それぞれ説明いたします。
- DNSレコード設定を利用する
- ドメインを購入した後、お名前.comのDNSに登録する場合に選択
- セカンダリDNS(Slave)を利用する
- 別のDNSに登録してある場合、予備としてお名前.comのDNSを使用
- ネームサーバー名としてのホストを設定する
- お名前.comで購入したドメイン名をホスト名として使用する場合
今回はドメインを購入し、メインのDNSとしてお名前.comのDNSを使うので、一番上の「DNSレコード設定を利用する」を選択します。右側にある「設定する」ボタンをクリックしてください。
5. レコードを追加する
先に説明したように、「IN A」などの1行のことを「レコード」と呼びます。購入してまだ何もレコードがない状態ですので、メインとなる「bw-aoisora.site」自身を登録しましょう。
お使いのレンタルサーバのIPアドレスは予め調べておいてください。ここでは「200.201.202.203」とします。
- ホスト名に「bw-aoisora.site」
- TYPEは「A」(IN Aのことです)
- TTLは3600のまま
- VALUEに「200」「201」「202」「203」と入力
- 状態は「有効」のまま
準備ができたら「追加」ボタンをクリックします。
今回はwww付きの「www.bw-aoisora.site」も同じ様に登録してみました。
「確認画面へ進む」ボタンをクリックします。
次のページで「設定する」ボタンをクリックします。
画面にインジケータが表示されますので、終わるまで待ちます。だいたい30秒くらいで終わります。
ブラウザで確認する
DNSは登録後、すぐには反映されません。自宅などアクセスしている場所と、DNSに登録された場所(この場合はお名前.com)が、ネットワーク的に近ければいいのですが、たいていそういうことは稀なので、DNSのレコードが更新されるまでしばらくかかることが多いです。
DNSを設定した後、反映に時間がかかるのは何故なのか?
時間がかかる理由ですが、DNSは世界中に数十万台存在し、それぞれがバケツリレーの様に連携しています。それぞれのDNSサーバが更新するタイミングもまちまちですので、お名前.comのDNSサーバが連携している別のDNSサーバ(セカンダリDNSサーバといいます)に「bw-aoisora.site」の情報を更新させるタイミングにより、数分から数時間かかる場合があります。
ドメインがDNSに反映されたと前提で作業を見てみます。
予めレンタルサーバ側では「bw-aoisora.site」でホームページが見られるようにしておく必要がありますので、購入したドメインでhtmlファイルが表示されるようにしておいてください。今回は「年月日 時分秒」だけを表示させるphpファイルを設定してあります。
ブラウザのロケーションバーに「bw-aoisora.site」と入力し検索します。
最初のうちは「このサイトにアクセスできません」などとエラー画面が表示されるかもしれませんが、DNSが浸透すると、以下のように正しくホームページが表示されます。
まとめ
- インターネットに接続してるパソコン、ルータにはIPアドレスが必ず付いている
- ドメインはIPアドレスとペアになっている
- 一つのドメインで複数のIPアドレスを指定できる
- ドメインは購入する
- IPアドレスはプロバイダから借りている
- ドメインとIPアドレスはDNSで紐付ける
- DNSの浸透は時間がかかる
DNSの細かい説明などは完全に専門的な知識が必要になりますので、初学者でもわかりやすいように可能な限り難しい表現は避けてみましたが、もし興味があればDNSの仕組みなどおのおのがたで調べてみてください。
※2020年3月11日に記事を一部修正