これで解決!ホームページ制作費用・料金はどのようして決まるのか
初めてホームページの制作を依頼する場合やホームページをリニューアルする場合に業者を探してみると、数万円のところから100万、200万を超えるところまでと業者によって料金や相場が異なります。
ホームページ制作業者の「どこに違いがあるのか分からず、困った経験がある方」も多いのではないでしょうか?
ホームページ制作の料金や相場が異なる理由について、現場で働く制作のプロの観点から詳しく説明していきます。
これから説明する情報を参考にしていただき、ホームページ制作の業者探しに役立てていただければと思います。
ホームページ制作費用・料金について
ホームページ制作に発生する費用
ホームページを制作する際に、どのような費用・料金が発生するか、以下にご説明いたします。
- 企画・ディレクション費
- デザイン制作費
- フロントエンド開発費
- バックエンド開発費
- コピーライティング
- 検証・テスト
ホームページを制作する際には、制作費としてこれらの費用・料金が発生します。
その他にかかる費用(場合によります)
- ドメイン取得
- SSLサーバー証明書
- SEO対策
- 写真撮影、イラスト作成
- 素材選定・購入
- スマホ対応(マルチデバイス対応)
また、ホームページをリリースした後も運営・保守費用がかかってくるのが一般的です。
リリース後、以下のようなランニングコストが発生します。
ランニング費用
- ドメイン管理維持費
- サーバー月額費用
- システム保守費用
- サイト更新費用
- コンサルティング費用
- マーケティング費用
ホームページの作成の料金は、これらの費用の合計であるということをまずはご理解いただければと思います。
ホームページの制作にかかる費用・料金を理解するには
どのようにして費用・料金を決めるているのか?
ホームページ制作にかかる料金・費用を理解するためには、まず工数や人日計算という概念について理解する必要があります。
工数
簡単にいうと、ある作業をおこなうのに、どれぐらいの作業量(人数×時間)がかかるのかの概念になります。
ITやWeb業界では「人月(MM = man month)」や「人日(MD = man day)」の単位がよく使われます。
人日
1人で作業を行った場合に、どれぐらいの日数がかかるかを表す単位になります。
例えば、企画書の作成を頼まれて、あなた1人で作業を行った場合、3日で完了する見込みならば、3人日となります。
※一般的には、1日を労働時間の7〜8時間として計算します
※人日計算と呼んだりしますので、覚えておくとよいかと思います
どのようにして費用を見積もるのか?
ホームページの制作の費用は、「工数 = 制作にかかかる日数(人日)」がベースになっています。
この「工数(人日)」に単価を掛けたものが、「ホームページの制作費用」になります。
ホームページ制作における料金の内訳について
最初に「工数」や「人日」、「費用の見積り」について説明させていただきましたが、次にホームページ制作にかかる各種料金の内訳について詳しく見ていきたいと思います。
企画・ディレクション費
ホームページ制作におけるサイトのディレクションは、Webディレクターという職種が担当いたします。
Webディレクターは、ホームページ制作における現場監督の立ち位置にいます。
Webディレクターは、主に以下の業務を担当いたします。
- 打ち合わせ(ヒアリング)
- 仕様の策定
- 要件定義書や提案資料の作成
- プランニング・サイト設計
- ワイヤーフレームの作成
- 画面設計書の作成
- 品質管理
- プロジェクト進行管理(デザイナー、エンジニアへの指示)
ホームページ制作において、Webディレクターは、キーパーソンであり、必要不可欠な存在になります。ホームページ制作の成功の可否は、Webディレクターの力量にかかっていると弊社は考えています。
お客さまのご要望や悩みなど、さまざまな情報を聞き出し、最適な提案をおこない、アイデアを形にしていくことがWebディレクターの腕に見せどころになります。
また、お客さまと制作側をつなぐ、ブリッジの役割も担うため、制作における技術的なスキルはもとより
- コミュニケーション能力などのヒューマンスキル
- アイデアを具現化するために必要なクリエイティブシンキング
- 問題や複雑な情報を整理・把握し、有効な解決策まで導くロジカルシンキング などのビジネスパーソンとしての能力も必要になります。
企画・ディレクション費用とは、上記の業務をおこなう「Webディレクターの工数×単価」の料金ということになります。
デザイン制作費
ホームページ制作におけるデザインの制作は、Webデザイナーという職種が担当いたします。
Webデザイナーは、主に以下の業務を担当いたします。
- UI(ユーザーインターフェース)設計
- UX(ユーザーエクスペリエンス)設計
- デザインカンプの作成
- デザイン制作
- ロゴ制作
- イラスト制作
デザインは、サイトの印象を決める重要な要素となります。
ただかっこいいデザインをつくるのではなく、お客さまが表現したいものは何なのか、何を求め、何を望み、何を解決しようとしているのかまで考え、形にしていくのがWebデザイナーの腕に見せどころになります。
近年では、
- ユーザビリティ(ホームページの使いやすさ、使い勝手)
- ユーザーエクスペリエンス(ユーザーがサービスや製品を使ったときに得られる体験、満足度)
- IA(情報アーキテクチャ。複雑な情報を分かりやすく整理し、サイトの使い勝手を向上するための技術)
- アクセシビリティ(高齢者や障害の有無、能力、利用環境などに関係なく、情報やサービスにアクセスしやすくする) などの技術やスキルが重要となってきております。
弊社では、上記について議論を重ね、デザインに反映しております。
デザイン制作費用とは、上記の業務をおこなう「Webデザイナーの工数×単価」の料金ということになります。
フロントエンド開発費
ホームページページ制作におけるコーディング(プログラミング言語を用いてプログラムのソースコードを記述する作業)は、HTMLコーダーやフロントエンドエンジニアと呼ばれる職種が担当いたします。
HTMLコーダーやフロントエンドエンジニアは、Webデザイナーが制作したデザインカンプをもとに、HTML/CSS、Javescriptを記述し、ホームページを作成していきます。
ここ数年、Webサイトの技術が高度化していることや新たな技術が生まれたことから、フロントエンドエンジニアという職種が生まれた背景があります。
フロントエンドエンジニアは、HTMLコーダーの上位互換のようなイメージで、HTML/CSSのコーディング業務も行い、CMS※1構築、多彩な動きを表現するためにJavaScriptの開発もできる高度な技術を持った職種になります。
※1:CMS:Contents Management Systemの略で、コンテンツ管理システム」とも呼ばれる。代表的なCMSはWordPressが有名。管理画面からテキストや画像を入力することで、HTMLを編集するスキルがなくてもホームページを更新することができるシステム
HTMLコーダーやフロントエンドエンジニアは、主に以下の業務を担当いたします。
- システム設計
- HTML/CSSコーディング
- JavaScript開発
- アニメーション実装
- APIの組込み
特にフロントエンドの世界は、変化のスピードが速く、知識やスキルがすぐに陳腐化してしまいます。
常に新しい情報にアップデートする必要があり、時代の変化に柔軟に対応していくことが求められます。
ホームページに動きをもたせたり、サーバーサイドとの連携が必要なホームページの制作や開発な場合、フロントエンドエンジニアが活躍するフィールドとなります。
フロントエンド開発費用とは、上記の業務をおこなう「HTMLコーダーやフロントエンドエンジニアの工数×単価」の料金ということになります。
ちなみに、
弊社が最も得意とする領域が、このフロントエンド開発になります。
バックエンド開発費
ホームページ制作において、サーバーサイドやシステムの開発は、バックエンドエンジニアがおこないます。
バックエンドエンジニアは、主に以下の業務を担当いたします。
- システム設計・要件定義
- システム開発(PHP、Rubyなど)
- インフラ構築) ※インフラエンジニアが担当したりしますが、小規模開発ではバックエンドエンジニアが兼務する場合が多いです
- サーバー設定
- API開発
- WordPressの構築・カスタマイズ
バックエンドエンジニアは、PHP/Ruby/Java/JavaScript/SQL/HTML/CSS/XML/JSON/Linux/jQuery、ソフトウェア開発、品質管理などのさまざまなスキルが必要になります。
各言語のフレームワークの知識や経験、Gitなどのバージョン管理ソフトウェアの経験、Linux/Windowsなど各種サーバでの開発経験も求められます。
また理解しやすいソースコードや保守性を考えたソースコード、ソースコードの読みやすさなどのプログラミングスキルも重要となります。
バックエンド開発費用とは、上記の業務をおこなう「バックエンドエンジニアの工数×単価」の料金ということになります。
検証・テストの費用
ホームページの制作が完了したら、ブラウザ検証やテストの作業をおこないます。ブラウザ検証とは制作したホームページが正常に動作し、表示崩れや正しい挙動しているか確認する作業になります。
弊社では、以下のブラウザで確認をおこなっております。
※案件によって変更する場合はございます
- Windows:Internet Explorer 11、Microsoft Edge、Firefox最新版、Chrome最新版
- MacOS:Chrome最新版、Firefox最新版、Safari最新版
- iPhone:Safari最新版
- Android:Chrome最新版
検証・テストをおこない、問題ないことが確認できましたら、お客さまに検収していただき納品という流れになります。
「検証・テストにかかる工数×単価」が、検証・テストの費用となります。
ホームページ制作の費用・料金が業者によって違う理由
工数の概念や制作費用の見積り方法、ホームページ制作の各料金の内訳についてご理解いただいたかと思います。
ホームページ制作の料金の見積りを見てみよう
それでは実際に、ホームページ制作の見積りを見てみたいと思います。
例として、格安の制作会社A社の見積り例、大手の制作会社のB社の見積り例をあげてみます。
※あくまでも例になります。要件やご要望によって、見積りは大幅に変わります。
A社(格安の制作会社)
項目 | 単価 |
数量 (人日) |
合計 |
---|---|---|---|
ディレクション | ¥30,000 | 0.5 | ¥15,000 |
デザイン制作 | ¥30,000 | 1 | ¥30,000 |
フロントエンド開発 | ¥30,000 | 2 | ¥60,000 |
検証・テスト | ¥30,000 | 0.5 | ¥15,000 |
B社(大手の制作会社)
項目 | 単価 |
数量 (人日) |
合計 | |
---|---|---|---|---|
ディレクション | ご要望のヒアリング | ¥40,000 | 3 | ¥120,000 |
自社サイト調査 | ¥40,000 | 1 | ¥40,000 | |
スコープ定義 | ¥40,000 | 1 | ¥40,000 | |
ハイレベルサイトマップの作成 | ¥40,000 | 2 | ¥80,000 | |
ナビゲーションルールの作成 | ¥40,000 | 2 | ¥80,000 | |
DFLの作成 ※1 | ¥40,000 | 2 | ¥80,000 | |
テンプレートページ設計 | ¥40,000 | 5 | ¥200,000 | |
ユニーク画面の設計 | ¥40,000 | 5 | ¥200,000 | |
進行管理 | ¥40,000 | 6 | ¥240,000 | |
デザイン制作 | ページデザイン | ¥40,000 | 7 | ¥280,000 |
モジュールパーツのデザイン | ¥40,000 | 5 | ¥200,000 | |
フロントエンド開発 | HTML/CSSコーディング | ¥40,000 | 10 | ¥400,000 |
Javescript開発 | ¥40,000 | 3 | ¥120,000 | |
検証・テスト | テスト計画立案 | ¥40,000 | 1 | ¥40,000 |
テスト | ¥40,000 | 1 | ¥40,000 | |
公開 | 公開作業 | ¥40,000 | 0.5 | ¥20,000 |
※1 :DFL: ディレクトリファイルリスト
A社、B社を比較していただければ、業者によって、実施する作業項目や単価、工数(人日)が違い、それによって料金が変わってくることがご理解できるかと思います。
業者によって料金が違う理由とは
業者によって料金が異なる理由は、「工数の見積り」や「単価の基準」、「人日の計算」、「実施する作業内容」が違うことにより起こります。
また、制作実績や会社の規模、専門的なノウハウをもっているなどで、費用や単価が変わることがあります。
※大手になるほど単価は高い傾向にあります
また制作会社によって、制作費用は安いけど、保守費用が高いという場合もありますので、保守費用まで事前に確認しておく必要があります。
保守費用の相場に関しては、「現場のプロが、ホームページ制作の相場についてお答えします!」を参考にして下さい。
業者によってホームページ制作の料金が違う理由を以下にまとめますと、
- 業者によって人日の単価が異なる
- 業者によって、見積もる人日の日数が異なる
- 実施する作業内容を簡素化・簡略化している
- ある業界に強く、独自のノウハウがあるので、制作や手法に付加価値があるため、単価が高い
- 細かい対応やサポートをおこなっているため、その分単価が上がってしまう
- メールや電話のみの対応、制作テンプレートが決まっているため単価が安い
- 要求するクオリティや技術レベルが高いと単価はあがる
- 追加の要望をどんどん出してくるので、金額を上げざるを得ない
- 個人事業主、フリーランスなので、制作会社より単価は安い
※詳しくは、「フリーランスにWeb制作を依頼する時に注意すべき3つのこと」を参考にしてください。
などがあげられます。
細かいサポートや企画や設計から入る要件定義なものをしっかりやると、単価があがりますし、
逆にメールや電話のみの対応、ホームページもテンプレートが決まっており、写真やテキストを入れるだけで完成するというような業者ですと、手間が少なく効率的に制作できるので、単価は安く抑えることができます。
ビータイズ流のホームページ制作費用・料金を抑えるアドバイス
それでは、ビータイズ流のホームページを少しでも抑えるコツをお教えいたします。ホームページ制作の特徴として、「分業しやすい」、「あとから追加できる(柔軟性)」というものがありますので、
- 制作会社がおこなう一部の作業業務を自社でおこなう例)デザインは、自社でおこなう等
- 制作するページ数、コンテンツを減らす
※本当に必要なものをつくるという意識を常に持つことが重要です - 不要な要望や機能をつくらず、ミニマム(必要最小限)ではじめる
※追加で要望を出していくと金額が上がってしまうため、あれもこれもしたいではなく必要最低限ではじめるという意識はズレないように注意しましょう
があげられます。
またフェーズを区切って、「フェーズ1ではここまで制作・開発」して、「残りはフェーズ2で対応」するという会社様もございます。
まとめ
本記事では、ホームページ制作時における料金や相場が、なぜ業者によって違うのかお話してきました。
まず、ホームページ制作の料金や相場を理解するためには、
- 工数
- 人日
といった概念を理解する。
ホームページ制作にかかる料金は、大きくわけると
- 企画・ディレクション費
- デザイン制作費
- フロントエンド開発費
- バックエンド開発費
- コピーライティング
- 検証・テスト
があり、
工数(人日)×単価が「ホームページ作成の料金」になる。
制作会社等の業者の単価や人日計算の工数見積が違うため、料金に違いが発生する。
特に、制作会社大手、独自ノウハウ等がある制作会社、個人事業主・フリーランスを比較すると設定の単価が違うため、大きく料金が異なることが発生しやすくなります。
制作料金が安いところには、安い理由があり、高いところには高い理由があることが理解できたかと思います。
また、作成費用や料金を抑えるコツとして、制作会社がおこなう業務を一部自社で行ったり、必要でないものはつくらない等があることをお伝えしてきました。
「制作にかける予算や何を実現したいのかをしっかりと考え、どの業者が自分たちに1番よいのかを基準に考える」とよいかと思います。
※ 2019年3月15日に、記事内容を一部更新
はじめてのホームページ発注&依頼ガイド
・どのように進めたらいいのか?
・何から始めたらいいのか?
・どのように依頼すればいいのか?
・どれぐらいの費用がかかるのか?相場は?
・どれぐらい期間がかかるのか?
等、お悩みの方は、多いかと思います。
そういった疑問・質問にお応えいたします。